⑥曲目の解説のUPから少し時間が空いてしまいましたが、続けてまいりますね。ぜひこのままおつきあいを。
ミシェル・フォアマン1983年のアルバム『Only A Memory』のA面をメドレー的に占めるこの2曲は、合わせて約18分とコンピレイション収録曲としては異例とも言える長尺ですが、それだけの価値があるのです。例えば後半にあたる「The Police」だけをフェイドインさせることもできたのですが、どうしてもそうはしたくなかった。クラシックでもジャズでもなく、ポップスでもなく、その全てとも言える他にない素晴しいピアノ・ソロ組曲。それから、選曲全体においては熱量の高いA面としての①〜⑥に対して、B面の一曲目としてのポジションに配置したので、状況または気分によってはここ⑦から再生する日があっても。実際Bar Musicの毎日の中でこのレコードは、オープン直後の一組目〜特に馴染みではないお客さまを迎える名刺代わりの楽曲としても長らく機能してきました。「合わせて18分」というのがメニュー出しからオーダーをいただき、カクテルやコーヒーをつくり、次のレコードを探してターンテーブルに乗せるという一連の流れのために丁度良い時間で、静寂のときにこそ強く胸に響くというのが理由です。そんな現場事情的視点からもとても重宝する一枚で、CDもアナログも長らく廃盤となっていたので、今回収録することができて本当に嬉しい限りです。
07.エニウェイ? ホワット・ディド・ユー・シンク・イット・ワズ・ザット・ニーデッド・トゥー・ビー・ラヴド/ミシェル・フォアマン
ピアノ・ソロ・アルバム『Only a Memory』は、あまりに素晴しい一枚であるとここに断言する。特に長尺であるが故にA面全てをメドレー的に占める2曲が描く世界は、澱みない完璧な美しさと、その先にある感動の波にのみ込まれる名演だ。ここにある静寂とのちの歓喜は、本コンピレイションにおける選曲の象徴として凛と輝く。
08.ザ・ポリス/ミシェル・フォアマン
この「ザ・ポリス」を、CALMがBar Musicで初めてプレイした時の胸の高鳴りを忘れることは決してないだろう。また、ニューヨーク出身のピアニストである若きミシェル・フォアマンを自身のツアー・メンバーに抜擢、イタリアのレーベルであるソウルノートからリリースを行うきっかけをつくったのが、名盤『Night Lights』から時を経たジュリー・マリガンであるというエピソードも、ジャズ・ファン的観点からはとても嬉しい事実だ。
〜メーカ―・インフォより〜
静寂と躍動、そして歓喜の瞬間へ。最新コンピレイションがついに完成!
『Bar Music 2014 Lost Relief Selecsion』 (CD) ¥2,700円(税込) MNGP5
『Bar Music 2014 Lost Relief Selecsion』 (CD+7") ¥3,780円(税込) MNGP6
ここには自分と同じ未来を向いている心地よさが存在している。
監修・選曲:中村智昭(MUSICAÄNOSSA / Bar Music)
レーベル:MUSICAÄNOSSA GRYPS
先鋭的な感性で美しく描かれるポスト・クラシカル、アルゼンチンやブラジルといった中南米音楽シーンの現在に、ジャズ・ピアノ独奏の知られざる名演、そして心温まるアコースティック・ギターの音色──静かに胸が震える至極の楽曲群をひとつの物語とすべく組み上げられる感動のコンピレイション・シリーズ待望の第二集。
カルロス・ニーニョ主宰のビルド・アン・アーク〜Jディラ・トリビュート『Suite For Ma Dukes』等への参加でも知られるミゲル・アトウッド・ファーガソン率いるストリングス四重奏、カルテット・ファンタスティコの静謐な「Morning Star」に導かれ、ブラジリアン・インストゥルメンタルの至宝トニーニョ・フェハグッチのアコーディオンと、現代アルゼンチン・タンゴの旗手ディエゴ・ スキッシのクインテットがスリリングに躍動。注目を集める新世代ミナス・シーンの主役アントニオ・ロウレイロは壮大なスケールで「Vôo a Dois」を描き、ブエノスアイレス生まれのギタリストであるキケ・シネシはパーカッシヴなワルツ「Dimension Ciudad ~ Kyoto」で日本を憶う。「Brasilian Street Dance」というタイトルも印象的なDenny Zeitlinと、Mitchel Formanによる感動的なピアノ独奏を経て、サム・アミドン&ベス・オートンによるR.ケリー「Relief」のあまりに鮮烈なカヴァーへとたどり着く。
かつてイギリスのアシッド・ジャズ・レコーズからのリリースが大ヒットとなったマザー・アースの中核マット・デイトンとSSWのクリス・シーハンによる フォーク・デュオ、ベンチ・コネクションの名曲「Young At Last」が持つ永遠の多幸感、さらにはStuntmenの「You're The Best Find」ではジミー・ウェッブ作曲「Wichita Lineman」を下敷きにした見事なトラックにも耳を奪われ、“ノルウェーのサイモン&ガーファンクル”ことキングス・オブ・コンビニエンスの アーランド・オイエは、ゆったりとしたレゲエのリズムに乗って郷愁感たっぷりに「Lies Become Part Of Who You Are」を歌う。
グレイト3のベーシストとしても活躍中のjanとメイルSSWであるnaomiのバイリンガル・アシッド・フォーク・デュオによるデビュー7インチEP収 録曲「A Portrait Of The Artist As A Young Man」は世界初CD化であり、いよいよ孤高の道を歩む作・編曲家である中島ノブユキのピアノは、全てを浄化するかの如く空間に凛と響き渡る。そうしてロ バート・ワイアットが仲間達とともに吹き込んだ名曲「What A Wonderful World」の見事なカヴァーは、エンドロールとしてその役割を完璧に担う。
静寂と躍動、そして歓喜の瞬間へ──敷居は低く、その奥は深い、全音楽ファン必聴のコンピレイションです!
• 1. Morning Star / Quartetto Fantastico
• 2. Nova / Toninho Ferragutti
• 3. Tongo 2 / Diego Schissi Quinteto
• 4. Vôo a Dois / Antonio Loureiro
• 5. Dimension Ciudad ~ Kyoto / Quique Sinesi
• 6. Brasilian Street Dance / Denny Zeitlin
• 7. Anyway? What Did You Think It Was That Needed To Be Loved
• 8. The Police / Mitchel Forman
• 9. Relief / Sam Amidon feat. Beth Orton
• 10. Young At Last / Bench Connection
• 11. You're The Best Find / Stuntmen
• 12. Lies Become Part Of Who You Are / Erlend Øye
• 13. A Portrait Of The Artist As A Young Man / Jan & Naomi *世界初CD化!
• 14. Lost Corner / Nobuyuki Nakajima
• 15. What A Wonderful World / Robert Wyatt / Gilad Atzmon / Ros Stephen
• Side A. Nova / Toninho Ferragutti *世界初アナログ化!
• Side B. Young At Last / Bench Connection *世界初アナログ化!
リリース記念イヴェントも収録アーティスト二組を迎えて開催決定!
6/23 Tue.
Bar Music最新コンピレイションCDリリース記念パーティー
※『Bar Music 2014 Lost Relief Selection』入荷/販売予定
[DJ]菊田 有一(DIW)・吉永 祐介(Solla Inc.)・谷口 慶介(Playwright)・中西 恵利(RED NOVEL)・中村 智昭(MUSICAANOSSA)
[Guest DJ]中島ノブユキ・jan and naomi
[at]渋谷 Bar Music
[info]03.6416.3307
※Music Charge ¥300
※20:00~24:00の開催です。
『V.A. / Bar Music × CORE PORT -Precious Time for 23:00 Later-』
渋谷「バー・ミュージック」とレーベル「コアポート」が
選曲:中村智昭 (MUSICAÄNOSSA / Bar Music)